GEINO KADENSHA 20TH ANNIVERSARY

20th

芸能花伝舎20年
since 2005

「ここにある」から始まる
「ここにいる」から繋がる

2005年4月、旧・新宿区立淀橋第三小学校の校舎を活用して誕生した「芸能花伝舎」。
芸術活動と作品創造を支える学び舎は、2025年に開場20周年を迎えました。
あらためて、誕生までの歩みと共に歩んでくださった方々の想い、
そして芸能花伝舎が果たしてきた役割を振り返ります。

  • 旧・淀橋第三小学校の校舎
  • 旧・淀橋第三小学校の校内
  • 旧・淀橋第三小学校の昇降口
旧・新宿区立淀橋第三小学校
  • 現在の芸能花伝舎の校舎
  • 現在の芸能花伝舎の校内
  • 現在の芸能花伝舎の玄関
芸能花伝舎(2005年〜)

GREETING挨拶・祝辞

野村萬 会長の顔写真
撮影:武藤奈緒美

ご挨拶

公益社団法人日本芸能実演家団体協議会 会長野村 萬

2005年4月、旧淀橋第三小学校跡地を拝借し、芸能文化の発信の拠点として、芸能花伝舎は産声を上げる事が出来ました。開場に至るまで、多くの皆様から様々のお力添えを戴きましたが、就中、同校を愛する淀橋町会の皆様方の御協力、また新宿区の御英断がなければ、成し遂げる事は叶いませんでした。改めて深く御礼を申し上げたく存じます。

能楽の大成者である世阿弥は、芸の理想の姿を「花」という言葉で表しております。芸能の分野を問わず、芸能を愛する方々がこの地に集い、百花繚乱の「芸能の庭」として花開くことを願い、世阿弥の著『風姿花伝』に因んで、「芸能花伝舎」と命名させて戴きました。

お陰をもちまして、芸能花伝舎は2025年に20周年を迎える事が出来ました。この地を基に、多くの人々が大輪の「花」を咲かせる事が出来るよう、その「花」の土台づくりこそが、私共 芸団協の普遍の志であると固く信じ、これからも皆様方と共に、地域に根差した芸能文化振興活動を続けて参りたいと存じております。 今日まで芸能花伝舎を支えて下さいました全ての皆様方に感謝を捧げると共に、引き続きの御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。

吉住健一 新宿区長の写真

祝辞

新宿区長吉住 健一

芸能花伝舎開館20周年おめでとうございます。

新宿区における文化芸術の発展の一翼を担ってこられた芸能花伝舎が、大きな節目を迎えられましたことを、心よりお祝い申し上げます。

芸能花伝舎は、地域に根差した文化芸術活動の拠点として、伝統芸能から現代的な文化芸術活動まで、多くの芸術家や区民の皆さまに親しまれてきました。その歩みは、新宿区の文化芸術振興に大きく寄与しています。

これからも、文化芸術を通じて人と人とをつなぎ、未来へ豊かな文化を継承する拠点として、さらなる発展を期待しております。

ABOUT芸能花伝舎とは

“稽古場が足りない”という声

演劇、ミュージカル、オペラ、コンサート、伝統芸能など、劇場・ホールでは毎日たくさんの作品が上演されています。その公演本番に至るまでに、出演者・スタッフが集結しておよそ1か月〜1か月半にわたる“稽古”を行います。また、プロの舞台稽古は、大きな舞台美術を組んだり、多くの衣装・小道具を持ち込んだり、出演者・スタッフを含め数十人が協働するため、公民館のような施設を使用することは難しい状況があります。

舞台関係者からの“稽古場が足りない”という声は、作品が生み出される機会が減り、全国の鑑賞機会の減少につながりかねない問題でした。この問題の解決に向けて、芸団協は“プロのための稽古場”を掲げて検討を始めました。

芸能・実演芸術の拠点づくり

芸団協は、“芸能が豊かな社会をつくる”を組織理念として、“人”、“場”、“しくみ”を作り整えるため、長年にわたり調査研究や提言に取り組んできました。1970年代に「芸能人のための会館がほしい」という声が会員団体らから挙げられたことを機に、芸能・芸術の拠点づくりの検討を開始し、1990年には「日本総合芸能センター」の構想をまとめます。そして1995年に、その機能の一つとして芸能振興を担う「芸能文化情報センター」を設置。以降、実演家・スタッフのための情報発信、セミナーやキャリアサポートにも取り組み始めました。しかし、恒常的に使える施設がないことが課題となっていました。

芸団協の理念を実現し、芸能文化情報センターの機能を高め、活動を広げるために、芸能・実演芸術の“拠点”づくりを目指す中で着目したのが、廃校活用だったのです。

自治体との連携

芸団協では1990年ごろから、各地の実演芸術振興の方策として、自治体と連携した事業を開始しました。地域の人々が実演芸術にふれることで、ますます生き生きと暮らせるように。体験・鑑賞等の企画提供などを行う中で、自治体との連携を深め、協力して継続的に文化事業を実施する“場”をつくれないかと検討していました。そこで、芸団協の拠点である新宿区、東京都とのパートナーシップを目指しました。


こうした長年にわたる芸団協の調査研究から生まれた構想や、実演芸術関係者の切実な想いが、新宿区の革新的なご勇断のもとに結実し、芸団協創立40周年にあたる2005年に、芸能花伝舎が誕生しました。

「芸能花伝舎」に込めた想い

古来、芸能は、祈り、喜び、楽しみの中で創造されるものでした。公共的な空間、自由な「庭」の中で、常に新しい芸能が生まれ育ってきました。こうした原点を踏まえ、21世紀の新たな「庭」づくりをめざし、日本の芸能の伝統継承と新たな創造が生起する時空として、「芸能花伝舎」を設置しました。これは、能楽を大成させた世阿弥の著作『風姿花伝』から野村萬会長が命名したものです。「花」は芸の真髄。日々の地道な鍛錬と心の極みに咲くものこそ「真の花」と呼ぶに値します。この「芸能花伝舎」も、日々の地道な活動を積み重ね、やがて芸能文化の真の花を咲かせるような土壌にしていきたいと願っています。

芸能花伝舎 沿革

  • 1915(大正4) 淀橋第三尋常小学校として開校淀橋尋常高等小学校(後の淀橋第一小学校)より分離
  • 1947(昭和22) 新宿区立淀橋第三小学校と改称学制改革による
    昭和46年頃の淀橋第三小学校の校舎
    昭和46年頃の校舎(開校80周年・開園30周年記念誌「よどさん」より)
  • 1965(昭和40) 12月 日本芸能実演家団体協議会(芸団協)設立
  • 1971(昭和46) 「芸能人のための会館がほしい」という声芸団協・福祉厚生委員会のアンケートで意見が寄せられる
  • 1990(平成2) 芸団協・文化政策研究会が「日本総合芸能センターについての考察」をまとめる
  • 1995(平成7) 4月 芸団協に「芸能文化情報センター」設置
  • 1997(平成9) 3月 淀橋第三小学校が閉校淀橋第六小学校と統合、西新宿小学校が開校
  • 2001(平成13) 廃校活用の検討はじまる芸団協が旧 港区立三河台中学校の利用について港区と協議
  • 2002(平成14) 廃校利活用について協議演劇関係者と協力し、研修・稽古スペース確保のため港区・千代田区・新宿区と協議
  • 2003(平成15)
    1月~9月 旧 港区立桜川小学校を借用し、演劇の稽古場として試用 7月 プロジェクトチーム設置新宿区より旧 淀橋第三小学校の利用について提案を受け、検討開始 11月 新宿区長と面談、廃校活用を要請
  • 2004(平成16)
    4月~ 新宿区議会各党へ廃校活用計画説明入居希望団体による懇談会設置、施設計画と運営について検討開始 6月 淀橋町会など地域の方々へ説明会を実施 11月 新宿区と合同記者会見
    「新宿区における文化振興に関する協定書」を締結
    新宿区との調印式の様子
    協定書に調印
    新宿区との合同記者発表の様子
    記者会見
    12月 利用予定者を対象に施設見学会
  • 2005(平成17)
    1月 改修工事に着工
    改修工事中の教室
    3月 改修工事完了/施設内覧会を実施 4月 芸能花伝舎 開場芸能文化情報センターを芸能文化振興部(現:実演芸術振興部)に再編、芸能花伝舎内に事務所設置
    看板を取りつける野村会長
    5月 オープニングイベント第1弾「芸術体験ひろば」を実施
    第1回芸術体験ひろばの様子
    6月 芸団協創立40周年・芸能花伝舎開場記念「芸事はじめ」実施
    芸能花伝舎開場記念「芸事はじめ」 左から:吉田茂(日本音楽著作権協会理事長)、矢内廣(ぴあ株式会社社長)、佐藤修(日本レコード協会会長)、渡辺美佐(日本音楽出版社協会名誉会長)、野村萬会長、曽野綾子(日本財団会長)、中山弘子(新宿区長)、河合隼雄(文化庁長官)(敬称略、当時)
  • 2007(平成19) C棟(旧G棟)利用開始校庭プール跡のスタジオ新設に着工し、9月に利用開始
    C棟新設工事の様子
    建設の様子
    新スタジオ(現C棟)新設工事完成の様子
    新スタジオ(現C棟)完成
  • 2014(平成26) 4月 開場10周年/大規模改修工事新宿区との契約更新(10年間)
  • 2020(令和元) 4月 新型コロナウイルス感染症により2か月休館緊急事態宣言を受けて
  • 2025(令和7)
    4月 開場20周年/改修工事新宿区との契約更新(5年間)。床張り替えなど改修工事を実施 12月 芸団協創立60周年

MESSAGE花伝舎への想い

芸能花伝舎と共に歩んでくださった方々から、メッセージをいただきました。

始める・始まる─ 花伝舎誕生の強力なサポーター ─

小学校から芸能の拠点へ。前例のない挑戦は、地域と行政の理解と支援があったからこそ実現しました。

中山弘子氏の顔写真

中山 弘子前 新宿区長

「芸能花伝舎」は西新宿の超高層ビルに囲まれた元小学校の生まれ変わりです。学校が地域の拠点であったように、「芸能花伝舎」は多様性に富んだ芸能の力で人々のつながりと地域の活力を生み出しています。多様性や文化・芸能を力とするまち・新宿にとって、大切なパートナーです。これからも心豊かな社会をつくるため、子どもたちをはじめ多くの人々や社会に喜びや元気を運んでください。心より応援しております。

五味望氏の顔写真

五味 望淀橋町会長

芸能花伝舎の開館20周年を心よりお祝い申し上げます。これまで防災倉庫や町会備品の管理など、防災面での連携にご協力いただき、地域の安心につながりました。子どもの日イベントでは子どもたちの笑顔が生まれ、落語まつりでは文化の力がまちに広がりました。芸能花伝舎が地域とともに歩んでくださったことに深く感謝し、これからも文化・防災・交流の拠点としての発展を願っております。

学び舎で学ぶ─ 人材を育成する場 ─

2005年に開設された新国立劇場演劇研修所(NNTドラマスタジオ)、2007年からC棟(旧G棟)を活動拠点とするバレエ研修所(NNTバレエスクール)からは、芸能花伝舎の歴史と共に、数多くの人材が輩出されています。

宮田慶子氏の顔写真

宮田 慶子新国立劇場演劇研修所 所長

新国立劇場演劇研修所は、2005年春、芸能花伝舎の開設と同時に、西口門脇の旧幼稚園棟にて開所しました。以来、この地から200名を超す若き俳優達が巣立っていきました。高層ビル群に囲まれながら、まるでここだけタイムスリップしたかのように緑に囲まれた芸能花伝舎の空間は、穏やかに、のびのびと、そして集中して研修に打ち込める、最高の環境です。

演劇研修所の授業の様子
授業の様子
本島美和氏の顔写真

本島 美和新国立劇場バレエ研修所 所長

ここ花伝舎は旧淀橋第三小学校であった頃の外観や内装を残しつつ、稽古場としてバレエ、ダンス、演劇、音楽と幅広く多くの方々に利用されていて、いつも活気に満ちていると感じています。かつては、学び、巣立つ、という営みが脈々と繰り返されていたこの空間で、バレエ研修所、演劇研修所の研修生達が、互いに影響しあい、志に邁進できることを心から感謝いたします。

バレエ研修所の授業の様子
授業の様子

集う・集える─ ファンや社会との接点をつくる ─

芸能花伝舎内に事務所を構える入居団体は、芸能と社会をつなぐという理念のもと、花伝舎を活用したイベント等の事業にも取り組んでいます。

春風亭昇太氏の顔写真

春風亭 昇太公益社団法人落語芸術協会 会長

芸能花伝舎20周年おめでとうございます。我々は2005年に事務所を移転以来、協会運営に様々な用途で使用させていただいてきました。その最たるものが毎年開催している「芸協らくごまつり」です。20回目の今年は過去最高となる5,000人以上の方にご来場いただきました。これも芸術文化に理解のある新宿という街に芸能花伝舎があるおかげと思っております。花伝舎が今後も東京の文化の発信基地として続いていきますことを願っております。

芸協らくごまつりの様子
芸協らくごまつり
水谷八重子氏の顔写真

水谷 八重子協同組合日本俳優連合 理事長

20周年!芸団協の皆さん、入居団体の皆さん、お世話になりましたね。鯉のぼりが校庭に舞うこどもの日には「芸術体験ひろば」が開催され、近所のお子さんが「お侍さんになってみよう」で日俳連アクション部会の皆さんと遊びました。また、2011年の東日本大震災以来、日俳連はチャリティイベントを開催しています。ファンや被災地の物産販売の方々にお越しいただき、花伝舎全体で俳優・声優のアトラクションを行い、淀橋町会の皆様の屋台でにぎわいました。芸能花伝舎よ、永遠なれ!

日俳連チャリティイベントの様子
日俳連チャリティイベント

創る・生み出す─ 作品を生み出す場、活動・鍛錬・育成の場 ─

芸能花伝舎の11の貸出スペースは、舞台公演等の稽古、日常的なレッスン・訓練、ワークショップやセミナー、撮影などに利用されています。多様なジャンルの作品が生まれ、また数多くの専門人材が育まれています。

オペラ

山口 毅公益財団法人東京二期会 常務理事・事務局長

芸能花伝舎での最初の稽古は、2005年ドイツ・ハノーファー州立歌劇場との『さまよえるオランダ人』でした。弊財団初の日本発信型ワールドプレミエで、体育館の使用なしには実現できない大規模なものでした。その後もP.コンヴィチュニー、I.ブルック、宮本亞門など世界的アーティストとの創造拠点として、唯一無二の場となっています。

東京二期会オペラ劇場『カルメン』稽古風景
2025年 東京二期会オペラ劇場『カルメン』(イリーナ・ブルック演出)稽古風景

演劇

鴻上尚史氏の顔写真

鴻上 尚史作家・演出家

花伝舎、20周年、本当におめでとうございます!花伝舎があることで、どれだけ私達の創造活動が助けられているか。私達演劇人だけではなく、地域の人達にどれほど、文化のプレゼントをしているか。土曜日や日曜日、花伝舎は、子供達の歓声に包まれます。幼い頃から、表現活動を学び、コミュケーションを磨いていく。文化とは結局、自分を表現し、あなたとどうつきあうかの方法を学ぶことではないでしょうか。花伝舎よ、永遠に文化の守り手でいて下さい!

渡辺ミキ氏の顔写真

渡辺 ミキ株式会社ワタナベエンターテインメント 代表取締役社長

芸能花伝舎20周年、誠におめでとうございます。私共ワタナベエンターテインメントも演劇やミュージカルの稽古等で長年お世話になってまいりました。この20年間、多くの作り手がここで夢を育み、その情熱は舞台での拍手へと結実してきました。花伝舎は芸能の土壌を育み、原点を思い出させてくれる特別な場所です。これからも文化芸術を支える拠点として多くの夢が花開く場所であるよう願いつつ、より良い作品を作り続けていけるよう、弊社も修練を重ねて参ります。

西川信廣氏の顔写真
撮影:山本桃子

西川 信廣公益社団法人日本劇団協議会 会長/文学座/演出家

20周年おめでとうございます!芸能花伝舎には多くの芸術関係の団体が事務所を置いています。その関係もあって、劇団の稽古、各団体の様々なワークショップ、勉強会などが開催されています。また、若い劇団、グループにとっても都心に近い使い勝手の良い稽古場になっています。芸能花伝舎は、日本の演劇人や人々をつなげる、アートセンターです。

バレエ

岸部光代氏の顔写真

岸辺 光代岸辺バレエスタジオ主宰

廃校になった小学校を、舞台芸術の様々な活動の拠点とする計画は、広い活動スペースの確保に苦労する舞台芸術団体にとって大変な朗報でした。芸能花伝舎は、都内にある数多の貸スタジオに比べて利用料が芸術団体の懐にとって優しく、多種多様な芸術団体との情報交換ができることも大変有意義なところです。また、「文化芸術基本法」の精神に則って活動、運営されていることにも感謝をいたします。新宿区の関係各位には今後ともご支援ご協力をお願いいたします。

田北志のぶ氏の顔写真

田北 志のぶバレエ・田北志のぶオフィス主宰

芸能花伝舎は私にとって芸術活動と人材育成に欠かせないかけがえのない学び舎です。私は東京で生まれ、モスクワへの留学を経て、ウクライナの国立劇場で23年以上にわたり芸術に携わってきました。2016年の帰国以来、花伝舎で日本の若いダンサーたちの育成と古典バレエの継承に力を注いでいます。だからこそ花伝舎は、芸術の伝統と精神を次世代へつないでいくための大切な場所であり、その灯を未来へともす場として、これからも在り続けてほしいと心から願っています。

高田早織氏の顔写真

高田 早織バレエ・アントレ主宰

伸び伸びバレエのレッスンができるスペースを探していた所、芸能花伝舎との出会いがあり、そこから約18年利用させていただいております。始めの頃は、バレエのレッスンができるスペースは、少なかったですが、私達の要望を取り入れていただいて、バレエの利用者も、どんどん増えていきました。バレエ以外にも、芸能に関わる活動の場として、これからも存続を願っています。

伝統芸能

吉住小三郎氏の顔写真

吉住 小三郎一般社団法人長唄協会 会長

芸能花伝舎20年の歩みの中で「キッズ伝統芸能体験」や「芸能体験ひろば」などを通して、子供たちに伝統芸能の魅力を伝える多くの機会をいただきました。元々学びの場であった学校が、古典のみならず多様な芸能が交流する場となり、地域の文化、芸術の発信拠点として、これからもその役割を果たすことを強く願っております。

演芸

義江和也氏の顔写真

義江 和也太田プロダクション/俳優

太田プロの養成所生として、花伝舎の教室に2年間通い詰めた日々は、私にとってかけがえのない財産です。当時はお笑いコースと俳優コースの両方に通い、表現者としての基礎を徹底的に叩き込みました。特にお笑いライブで仲間たちと激しく順位を争った経験は今も鮮明に覚えており、熱い仲間たちと切磋琢磨しながら確かな演技力を培った場所でした。思い出深いこの場所が、これからも多くの才能を育み、さらなる発展と繁栄を遂げられますよう深く祈念いたします。

殺陣

多加野詩子氏の顔写真

多加野 詩子芸道殺陣波濤流高瀬道場/殺陣技斗師

都会のビル街を抜けると優しい空気が漂う場所がある。「芸能花伝舎」。元小学校というだけではなく、運営側の丁寧な心遣いが来館者を和ませる。殺陣という技藝に取り組む人たちにとり、その和やかな空気感は緊張をほぐすのに十分であり、様々な立場の人達が向上を目指す場として、その地の利と空気感は他に追随を許さない。20周年心からお祝いを申し上げます。

華道

今村草玉氏の顔写真

今村 草玉草月流いけばな「若草の会」主宰/草月流師範会 理事

草月流いけばな教室「若草の会」は、芸能花伝舎開館以来20年にわたりお世話になっております。私どもはこの場所から、日本の文化芸術であるいけばなの楽しさを国内外の方々に伝える活動を続けております。日本の伝統文化が見直されている今、いくつもの伝統文化がこの芸能花伝舎で結集し、世界へ発信する拠点として発展して行くことを願っております。

地域活動

濱松敏廣氏の顔写真

濱松 敏廣ステップアップ塾 塾長

文化芸術に携わる人々と地域、市民活動を結び付け、新たな価値や挑戦を生み出す芸能花伝舎は、まさに「創造のプラットフォーム」だと認識しています。新宿区とのご縁でつながり、花伝舎敷地内に設置いただいた食事&自習室付き無料塾「ステップアップ塾」も、おかげさまで多くの出会いと連携を育んでまいりました。この貴重な文化資産が次世代へ確実に引き継がれ、さらに活用されていくことを願っています。20周年、誠におめでとうございます。

触れる・出会う─ 様々な事業・取り組み ─

芸能花伝舎は稽古場としての貸出だけでなく、一般の方々が多彩な芸能にふれる場であり、芸能関係団体がジャンルを越えて協働する場でもあります。

主催事業

「芸術体験ひろば」 校庭いっぱいの鯉のぼり 「芸術体験ひろば」(協力:日本バレエ団連盟) 「芸術体験ひろば」 「芸術体験ひろば」

芸能花伝舎の開場以来、毎年5月5日こどもの日には、親子で参加できる「芸術体験ひろば」を開催しています。このほか、一般の方々が様々な芸能の魅力にふれるきっかけになることを目的とし、芸団協主催事業を実施しています。

協働事業

新宿区主催「文化体験プログラム」(太神楽曲芸/協力:落語芸術協会) 新宿区主催「文化体験プログラム」(箏曲/協力:日本三曲協会) 東京都、アーツカウンシル東京との共同主催「キッズ伝統芸能体験」(小鼓/協力:長唄協会) 東京オリンピック・パラリンピック文化プログラム事業 訪日外国人向け体験型観光プログラムの開発

実演芸術69団体で構成される芸団協には、全国から様々な芸能の事業企画のご依頼・ご相談が寄せられます。特に伝統芸能に関しては、東京オリンピックの招致活動・開催などを契機に関心が高まり、国や東京都、新宿区などと協働し、様々な事業に取り組んでいます。

視察・見学・職業体験

全国から中高校生の訪問学習、大学生の見学も受け入れ 廃校活用のモデルとして、外国からの視察も 廃校活用のモデルとして、韓国ソウル特別市教育庁からの視察 2010年 当時の鳩山首相が視察(協力:高瀬道場)

新宿区との文化振興協定による廃校利用モデルとして、国内外から多くの視察にお応えしてきました。また、近年は訪問学習(企業訪問)や新宿区内の中学校の職業体験を受け入れており、全国からたくさんの中・高校生が見学に訪れています。

地域とともに

十二社熊野神社の例大祭に協力 十二社熊野神社の例大祭に協力 淀橋町会主催の文化行事に協力 「芸術体験ひろば」 地元商店会の皆さんによる出店

芸能花伝舎、芸団協は、西新宿を拠点とする地域の一員です。淀橋町会の会員にもなっており、芸能を通じて地域に貢献すべく、町会の催事に協力したり、十二社熊野神社の例大祭で神輿を担いだり、地域の行事にも積極的に参加しています。また、芸能花伝舎で行う「芸術体験ひろば」には、町会や商店会の皆様に出店いただくなど、相互に協力しあっています。

DATAデータに見る花伝舎

20年のあゆみを数字でたどります。

仕様 ─ 土地・建物・スペース ─

所在地
東京都新宿区西新宿6-12-30(旧・新宿区立淀橋第三小学校)
建物
A棟・B棟・C棟・体育館
貸出スペース
11スペース(稽古場・会議室・体育館ほか)

延べ利用人数(稽古・撮影・イベント参加ほか)

稽古・撮影・イベント参加などを含み、全国から年間延べ16万人ほどが往来しています。

利用申請件数の推移

開場以来、利用申請数は上昇(2005-2009)していましたが、長期利用、定期利用なども増えてきた段階で申請を受理できる数自体は落ち着きました(2010-2019)。コロナ禍では利用申請も減少しました(2020-2021)が、徐々に回復基調(2022-)にあります。

利用登録者数の推移(累計)

利用登録者(団体・個人)数は2026年7月現在で約3,500と、着実に増加しています。

利用登録者のジャンル

利用登録者の地域分布

東京都内の利用登録者が約80%を占め、次いで神奈川県、埼玉県、千葉県と続きます。東京で公演を行う際の稽古場として、東海、北陸、関西、北海道などの方々にもご利用いただいています。

撮影利用

学校の面影を残す芸能花伝舎の教室、廊下、階段、校庭、屋上は、映画、テレビ番組、ミュージックビデオ、CMなどの動画や、雑誌などのスチール撮影など、様々なシーンに利用されています。

PHOTO写真で振り返る

20年の様々な場面を写真で振り返ります。

春の花伝舎

春の花伝舎

改修工事 すべての壁に鉄骨を入れ込んで耐震補強

2005年
改修工事 壁に鉄骨を入れて耐震補強

2005年の改修工事の様子

2005年
改修工事 各部屋の床も張り直し

改修工事 エントランスの様子

2005年
改修工事 エントランスの様子

日本財団からは複数回にわたるご支援をいただきました

日本財団からは複数回にわたりご支援をいただいた

発表記者会見 左から、三遊亭金馬、山勢松韻、三川泉、野村萬会長、中山新宿区長、鶴賀若狭掾、宮田哲男、西川扇蔵(敬称略)(当時)

2004年
発表記者会見 左から、三遊亭金馬、山勢松韻、三川泉、野村萬会長、中山新宿区長、鶴賀若狭掾、宮田哲男、西川扇蔵(敬称略)(当時)

毎年5月5日は「芸術体験ひろば」 校庭いっぱいの鯉のぼりは花伝舎入居団体みんなで準備

2005年~
毎年5月5日は「芸術体験ひろば」 校庭いっぱいの鯉のぼりは花伝舎入居団体みんなで準備

「芸術体験ひろば」 人形劇・児童演劇の皆さんの協力によりかわいい飾りも

2005年~
「芸術体験ひろば」 芸術団体の皆さんの協力によりかわいい飾りも

6月6日 芸能花伝舎開場記念「芸事はじめ」開催

2005年
6月6日 芸団協創立40周年・芸能花伝舎開場記念「芸事はじめ」開催

6月6日に芸団協創立40周年・芸能花伝舎開場記念「芸事はじめ」開催 多くの方がお祝いに駆けつけてくださった

2005年
6月6日に芸団協創立40周年・芸能花伝舎開場記念式「芸事はじめ」 多くの方がお祝いに駆けつけてくださった

新宿区の文化事業への協力 「子ども文化体験プログラム」受託開始(写真:影絵/協力:劇団かかし座)

2005年~
新宿区の文化事業への協力 「子ども文化体験プログラム」受託開始(影絵/協力:劇団かかし座)

新宿区の文化事業への協力 大人向け「文化体験プログラム」開始(写真:琵琶/協力:日本琵琶楽協会)

2007年~
新宿区の文化事業への協力 大人向け「文化体験プログラム」開始(琵琶/協力:日本琵琶楽協会)

プール跡に新スタジオ(現C棟)建設開始

2007年
プール跡に新スタジオ(現C棟)建設開始

秋の花伝舎

秋の花伝舎

地域の一員として熊野神社のお祭りに奉納

地域の一員として熊野神社のお祭りに奉納

本格的なお稽古体験「キッズ伝統芸能体験」開始(主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、芸団協)

2008年~
本格的なお稽古体験「キッズ伝統芸能体験」開始(主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、芸団協)

本格的なお稽古体験「キッズ伝統芸能体験」開始(主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、芸団協)

2008年~
本格的なお稽古体験「キッズ伝統芸能体験」開始(主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、芸団協)

地域の餅つき大会にも協力

地域の餅つき大会にも協力

全国から視察、見学を受け入れ 高層ビルに囲まれた屋上の眺めはなかなか

全国から視察、見学を受け入れ 高層ビルに囲まれた屋上の眺めはなかなか

冬の花伝舎

冬の花伝舎

開場10年目の大規模改修 校舎も白色へ塗り替え

2014年
開場10年目の大規模改修 校舎も白色へお化粧直し

リニューアルお披露目会

2015年
開場10周年リニューアルお披露目会

リニューアルお披露目会 吉住新宿区長のご挨拶

2015年
開場10周年リニューアルお披露目会 吉住新宿区長のご挨拶

芸団協創立50周年記念イベント 日本舞踊&シンセサイザー&プロジェクションマッピングの特別公演

2015年
芸団協創立50周年記念イベント 日本舞踊&シンセサイザー&プロジェクションマッピングの特別公演

芸団協CPRA広報誌『SANZUI(さんずい)』展

2015年
ギャラリーにて芸団協CPRA広報誌『SANZUI(さんずい)』展

落語芸術協会との協働事業「落語体験入門」

2006年~2018年
落語芸術協会との協働事業「落語体験入門」

芸団協セミナー、シンポジウム 実演芸術界で働く人々のための学びの場も

芸団協セミナー、シンポジウム 実演芸術界で働く人々のための学びの場も

部活動の地域移行を見据えたモデル事業「花伝舎クラブ」

2022年
部活動の地域移行を見据えたモデル事業「花伝舎クラブ」

初夏の花伝舎

初夏の花伝舎

EPILOGUEこれから

あらためて振り返りますと、開場から現在まで、芸能花伝舎がどれだけ多くの方々に
支えていただいたことか、感謝の念に堪えません。

この20年の間に、芸能花伝舎の周辺には超高層ビルが立ち並び、ここで取り組む主催事業・協働事業なども、時代と共に変化しています。
しかし、芸能花伝舎が果たす役割は、開場当初から変わりません。

創造の場、育成の場、集う場として、西新宿には芸能花伝舎があります。
これからも、ここでたくさんの人々と出会えますように。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。