子どもたちを育む
見て、聞いて、身体を通じて知る 伝統文化・芸能の世界
学校教育現場では、学校の先生では教えられない専門的な世界について、ゲストティーチャーを招いての授業が増えています。
子供たちが伝統芸能をはじめ、日本の文化への興味を抱き、ファンになるなど、次世代へ継承するきっかけづくりとして、芸団協では、若手実演家や職人を講師として、体験と鑑賞と組み合わせた授業(アウトリーチプログラム)を提供しています。東京都内の小中高等学校等の1学年(原則)が対象です。
本プロジェクトは、子供達が日本の伝統文化・芸能に触れ、日本の文化の価値に対する正しい理解を深めるとともに、多様な文化に対する幅広い知識を育むことを目的としています。
学校と連携して、若手実演家・職人を講師に体験・鑑賞プログラムを実施することで、多くの子供たちに伝統文化・芸能の世界にふれるきっかけを提供します。
実施プログラム
①謡・仕舞(能楽)
②狂言(能楽)
③日本舞踊
④歌舞伎音楽
⑤雅楽
⑥箏(こと)
⑦三味線
⑧和楽器いろいろ
⑨落語(演芸)
⑩紙切り(演芸)
⑪和妻(演芸)
⑫糸あやつり(地域の芸能)
⑬八王子車人形(地域の芸能)
⑭江戸木版画(伝統工芸)
⑮江戸表具(伝統工芸)
⑯東京手描友禅(伝統工芸)
2023年度
実施校数:58校(予定60校、辞退1校、雪のため中止1校)
参加人数:4,843人
実施校へのアンケートでは、授業の満足度と講師の指導内容についていずれも「1.とても満足」が81.1%、「2.満足」が18.9%と好評でした。
児童・生徒の様子は「1.プロの講師から間近に教わることで、伝統文化・芸能への理解・関心が深まった」86.5%、「2.授業によく集中していた」60.8%で外部講師の訪問での授業は、児童・生徒達にとってよい学びの機会となっています。
謡・仕舞
声の迫力があり、実際にホンモノを見られたこと、児童にとって財産になりました。謡、動きともに6年生にとって分かりやすいものでした。
三味線
とても分かりやすく、丁寧で大人も必死になっていつの間にか取り組んでいました。また、演奏、体験、クイズの豆知識など盛り沢山の内容でとても勉強になりました。
歌舞伎音楽
特別支援学校だったので不安もあったが、どういった特性の生徒がいるのか共有して頂けていたので、時間配分や配慮がしやすかった。
雅楽
児童の中に若干入りこみにくい子がいたが、体験にさそうと楽しんでよくやってくれた。舞も打楽器も上手でした。
落語
設営や準備なども抜かりなく、気配りもしていただき、大変にやりやすい環境でした。
提供しているプログラムの中には、狂言・落語(国語)や歌舞伎音楽・雅楽(音楽)など教科書に掲載されているジャンルのものもあり、学校教育との連携は、子供達にとって知識だけでない、ほんもの体験で学びの機会の充実につながります。
子供達と実演家等との1度限りの授業を効果的に実施できるよう、必要に応じてプログラムの調整をおこなう一方、より多くの教育関係者に本プロジェクトを知っていいただけるよう広報に努めます。